21/3/11不動産のマメ知識
誘引現象・・・？
ハイサーイ
皆様いかがお過ごしでしょうか
過ごしやすい気候となり春を感じる今日この頃、管理物件に於いて発生したレアなケース(現象)をご報告させていただきます
管理物件に於いてこれまで賃貸していた３階の部屋を家主様が利用することになり、
前入居者が退去したのちに、ハウスクリーニング完了。約２週間後いざ家主様へ引渡しいたしました。すると家主様より『トイレからの異臭がする。』と連絡がはいりました。
私はトイレの排水口のトラップの水が蒸発して臭いが上がる『蒸発現象』と思い、早速現地へいってトイレの水を流し、トイレの(床)排水口へ水を30秒ほど流して水を補充し封水いたしました。その他キッチン流しや洗面台、浴室も水を流して家主様へ完了したのでこれで大丈夫と自信をもって改めて引渡しました。
蒸発現象とは・・・
蒸発現象は多くの場合、家を長期間空けた場合に発生。通常、封水は1日に約1mm蒸発すると言われています。夏の間は特に気温が高くなるせいで蒸発する量が増加するので、約1カ月の間トイレを使用しないでいると、封水は蒸発してなくなってしまいます。別荘をお持ちの方、短期出張が多い方など、封水の蒸発現象は意外と身近な問題です。こまめな水流しを心掛けましょう。
☆ ☆ 対処法：蒸発現象 ☆ ☆
もっとも簡単な対処法は、トイレを流して封水がいつもの水位までたまった後に、コップ1杯の水を上からゆっくり注ぐことです。封水の水位が上がった分だけ、蒸発するまでに時間がかかるようになります。
また調べて分かったことですが、「特殊蒸発防止剤」というものがあるようです。便器の封水の中に特殊蒸発防止剤を流し込むことで、種類により期間は異なりますが半年から1年ほど、蒸発を防いでくれるようです。
２度目の引渡しを終えて数日後、また家主様より『まだ臭いがする。トイレ以外の部屋まで充満しているッ
』と連絡あり。
完全に何かがおかしいと、改めて現地へ急行
し、玄関を開けて部屋へ入ると家主様の言葉通り下水の臭いが部屋中に充満しておりトイレからではあるが何が原因かわからない
。
トイレの排水口へ鼻を近づけても臭い無し。手洗い器の排水口も臭い無し、また便器も臭いが無い。トイレの壁紙が匂う？いや、他の部屋からの臭い？などいろいろ検討した結果も原因不明。
何度も清掃し、また消臭剤なども設置。一時的に臭いが収まりましたが、時間経過とともに消臭剤以上に下水の臭いが発生。
原因解明ができない為に家主様と頭を抱え悩んでいたその次の日でした。
家主様より連絡が入り『原因がわかった！』と連絡が入りました。
その原因とは、トイレの便器にたまった水がわずかながら減っているため、トラップで封水されずに臭いが排水口より上がっている可能性があることに気づきました。家主様はわずかな水位の減少をみのがさずに発見したのです。
しかしなぜ水が減るのか？
A：蒸発している。 
短時間では蒸発することはない。
B：便器が割れて水が漏れている。 便器の床に漏れ出てないので可能性なし。
便器の割れは便器を取り外さなければならない為、CUBEの協力水道業者へ依頼し原因追求。
便器を脱着し割れなど便器には問題がないことを確認。
それ以外であれば水が引っ張られる現象『 誘引現象 』 の可能性が高い！との事でした。
『 誘引現象？？？ 』
誘引現象とは・・・
これは主にマンションなどで起きるトラブルです。上の階の住民が大量の水を排水立管に流すと、排水立管内の気圧が一時的に下がり、封水が排水管へと引っ張られて流れ出してしまうのです。「トイレを流した後は封水がちゃんとあるのに、いつの間にか封水がなくなっている」という場合は、誘引現象の可能性があります。
対処方法：誘引現象
対処法は、排水立管の空気圧を安定させることで、そのために通気管のある排水管を設置できます。ただし、自分での交換は難しく、業者に頼む方が良いです。排水管は共用設備なので手が出せません。賃貸であれば管理会社へ相談必要です。
今回は、空気圧を安定させるためにトイレの手洗い器の配管へ通気弁を設置することにしました。
通常は１階部分など下階などに多く見られる現象ではある現象ではあるが、
１・２階がトイレの水など流した際に気圧が下がり、水が誘引され便器の水が減り封水できずに臭いが上がってきたというレアなケースでした
。
しかしなぜ今回発覚したのか
これまで借主が住んでいましたが、毎日のようにトイレは使うもので、誘引現象が起こっても常にトイレを利用し水が補充されていたため、臭いが上がってくることはない。数日空室で使用しなければその前から発生していたものと思われます。
もしかすると皆様のトイレも・・・。
今回は非常にレアなケースで勉強になりました。
問題解決した際には『なるほど～。』と一つ知識が増えたことを嬉しく思います。
まだまだ知らない現象も多く、また次回このようなレアなケースを経験したら報告させていただきます
管理チーム 日誌より
