17/8/5売買のマメ知識
人の振り見て・・・・
そろそろ 初の宅地建物取引士の更新を向かえる事になり、資格取得前は
結構勉強していたものの、いったいどれだけの知識が頭の中に残っているのだろうなんて
考えていたら、先日、あるスタッフが仲介手数料(報酬額)の説明をしている光景に
遭遇しました。
不動産の仲介手数料でよく目にして耳にする 『 3% + 6万 』 というこの計算式ですが、
『 + 6万 は何??? 』 ってなりますよね・・・
私もしっかり説明ができるだろうか・・・と 不安を感じながら 聞き耳を立てていました。
そこで 取引士として 知識のおさらいの意味も踏まえて、私なりにまとめてみました!
まず 『 3% + 6万 』 は一旦忘れましょう!
不動産取引における仲介手数料(報酬額の上限)には業法に規定があり、次の通りとなります。
1. 売買価格が 200万円以下 の場合 5% の料率を かけて算出した 額
2. 売買価格が 200万円を超える部分 から 400万円以下 の場合 4%
の料率を かけて算出した 額
3. 売買価格が 400万円を超える部分 からは 3% の料率を かけて算出した 額
この、1.2.3.が正式な 計算式 です が、分かりにくいですね・・・
実際に例をあげて見てみましょう!
まず、売買価格が仮に1,000万円とします。
そして、200万円以下 と 400万円以下 と 400万円を超える部分
でライン引きをして、分けて考えてみましょう!
規定の通りに、200万円以下 は 5%、
400万円以下 は 4%、
400万円を超える部分 は 3%
ですから 次 のようになりますね!
実際にそれぞれの料率をかけて、計算してみると 次のようになります。
よって、売買価格が1,000万円の場合の仲介手数料は
18万 + 8万 + 10万 = 36万円(税別)
と、なる訳です。 これが、正式な仲介手数料の計算式となります。
次は、仮に売買価格が3,000万円とした場合の例を、同じようにライン引きをして計算してみると、
となり、売買価格が3,000万円の場合の仲介手数料は 96万円(税別) となります。
さて、いよいよ 『 3% + 6万 』 の考え方です。
正式な計算式では、いちいち 分けて それぞれの料率をかけて 合計 を 出さなくてはなりません。
ん~~・・・ 面倒くさい!
そこで、とりあえず 全体に 3% を かけて 計算してみると どうなるか試してみましょう!
これも、基本に戻って ちゃんと 200万円以下 と 400万円以下 と 400万円を超える部分でライン引きをしてみましょう!
はい! このようになりますね! 本来 4% で計算しないといけない部分と 5% で計算しないといけない部分に 3% をかけて 計算しているので、差額(マイナス)が出るのは当然の事です。
差額は 本来 4% で計算する部分が 2万円 、 5% で計算する部分が 4万円 となります。
もうひとつ、売買価格が3,000万円の場合も 3% で計算してみます
差額は 本来 4% で計算する部分が 2万円 、 5% で計算する部分が 4万円 となります。
ん・・・・ あれ???? 差額が 一緒じゃないか!
そうなんです! 売買価格が変動しても、差額は常に 変わらないんです! 変動するのは
400万円を超える部分のみ です!
更に、ここに注目してみてください。それぞれの 差額が変動しないという事は、
合計の 差額 ( 6万円 ) は変動しません!
そして この 差額 ( 6万円 ) こそが、説明に困る 憎っくき 『 +6万円 』 の正体なのです!
つまり、いちいち ライン引き をして、それぞれの料率をかけて、合計を出すのは、面倒なので、
とりあえず、全体に 3% を かけて あとで 修正を 加える 便利な 公式 が 『 3% + 6万円 』 なんですね!
この 『 3% + 6万円 』 は、簡略化された 速算式 と呼ばれるもので、一般的に使われていますが、
正式な 計算式では無く、
あくまでも 簡略化された 速算式 である
ということが、伝われば 『 +6万円 って何??? 』 の 誤解も 解けるのではないでしょうか!
とは言え、これを 言葉だけで 説明するのは かなり難しい・・・・
皆さんは どういうふうに 説明しているんでしょうか?